やまかわ乳腺クリニックの甲状腺はどこにあるの

 

甲状腺はのど仏の下に蝶が羽を広げたような形をしています。のど仏とは甲状軟骨という大きな軟骨のうち前方に飛び出したところを指し、甲状腺はこの甲状軟骨を目印に探していきます。患者さんの中には、この甲状軟骨を甲状腺のはれと間違って受診される方がいますが、甲状腺はその下にあります。
正常の甲状腺は、重さ15〜20グラムくらいの小さなものです。また、軟らかいので通常は外から触れてもなかなかわかりません。
甲状腺の後ろには副甲状腺という血液中のカルシウムを調節する臓器が4個あります。大きさは米粒ほどで、これも普通は触ることはできません。

やまかわ乳腺クリニック甲状腺

 

やまかわ乳腺クリニック甲状腺の働きは

甲状腺は体の成長や新陳代謝を調節するのに必要な甲状腺ホルモンが作られています。と言うと、「ホルモンって何?、新陳代謝って?」となりますね。ホルモンとはからだの中で作り出される、微量で大切な働きをするものの総称です。現在まで50種類以上のホルモンが見つかっていますが、甲状腺ホルモンはそのなかでも最も重要なものの一つです。甲状腺から出されたホルモンは、血液によって全身に運ばれて働きます。

甲状腺ホルモンの主な作用は最初に書いたように新陳代謝を活発にすること、すなわち食物に含まれるいろいろな栄養素を体内で上手に利用されるように働きます。この甲状腺ホルモンが不足すると、新陳代謝は低下するために、いろんな場所の働きが鈍くなってきます。
たとえば、脈が遅くなったり、便秘になったり、頭の回転が悪くなったり、子供の場合は身長が伸びにくくなります。逆に多すぎると代謝は活発になりすぎ、よく食べるのにやせる、汗をかきやすい、脈が速いなどの状態となり非常に疲れやすくなります。

 

 

やまかわ乳腺クリニック甲状腺の病気について

大きく分けて下の3つに分類できます。


 

やまかわ乳腺クリニック甲状腺の代表的な病気について

バセドウ病・橋本病、この2つはともに自己免疫で起こる病気です。

自己免疫疾患って何?
免疫というのは、はしかに一度かかったら二度かからないというように、体を守るためにあります。そしてこの体を守るための免疫反応が体にとって悪い方向に働く状態をアレルギーといいます。このアレルギー反応は、通常、花粉症のように体の外のものに対して起こりますが、その反応が自分の体に対して起きる場合があります。そういう場合を自己免疫疾患といいます。バセドウ病や橋本病は自分の甲状腺にアレルギー反応を起こしてできた病気です。

バセドウ病も橋本病も同じ自己免疫疾患だったら、どこが違うの?
甲状腺に対してアレルギー反応を起こした結果、甲状腺に痛みや熱を伴わずに慢性の炎症を起こすのが橋本病です。一方、アレルギー反応の結果、甲状腺を刺激する抗体ができて、そのために甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる病気がバセドウ病です。

 

バセドウ病の症状は?
甲状腺ホルモンが過剰になるため次のような症状がでてきます。疲れやすい、動悸がする、汗が多い、手が震える、よく食べるのにやせる、暑さに弱いなどです。また、筋力の低下(特に足の付け根)、手足の麻痺なども時にみられます。

バセドウ病の治療は?
バセドウ病の治療としては、薬、手術、放射線の3つがありますが、残念ながら、自己免疫反応そのものを治す方法はまだ見つかっていません。どの治療にも一長一短がありますが、普通は薬から始めます。

 

橋本病の症状は?
橋本病では慢性炎症の結果、甲状腺の働きが低下してくることがあり、成人の甲状腺機能低下症の主な原因となっています。甲状腺ホルモンが不足したときの主な症状は、皮膚がかさかさする、顔や手がむくむ、寒がり、便秘、あまり食べないのに太る、髪の毛が抜ける、生理が多い、心不全をおこすなどであり、老化が早くなってきます。

甲状腺機能低下症の治療は?
甲状腺機能低下になると甲状腺ホルモンを投与して治療します。薬には乾燥甲状腺末、チラージンSなどがありますが、現在はチラ−ジンSがよく用いられています。甲状腺機能低下症と診断された場合は薬の量、甲状腺のホルモン検査などを定期的にチェックしていきましょう。また、橋本病の経過中にときとして悪性リンパ腫を合併することがあります。超音波検査を定期的に受けることも重要です。


甲状腺内に腫瘍ができる病気です。良性と悪性があり、以下のように分類されます。

良 性:腺腫(せんしゅ)・腺腫様甲状腺腫(せんしゅようこうじょうせんしゅ)・嚢胞(嚢胞)
悪 性:乳頭癌(にゅうとうがん)、濾胞癌(ろほうがん)、髄様癌(ずいようがん)、未分化癌、悪性リンパ腫

これらの腫瘍は、甲状腺の機能にほとんど異常がないため自覚症状はなく、知らない間に大きくなります。自覚症状がないために放っておく患者さんがいますが、悪性腫瘍の場合もあります。きちんと甲状腺専門医にかかり検査を受ける事をお勧めします。




甲状腺がもとある格好のまま全体に大きくなっているのですが、その働きは正常で、自己免疫反応のみられないものを言います。原因不明のことが多いのですが、思春期や妊娠中に見られることもあります。経過観察だけで治療の必要はありません。しかし、最近、検査の感度が上がりこれまで単純性甲状腺腫といわれていたものの中に軽症の橋本病や腺腫様甲状腺腫が含まれていることが分かってきています。


ウイルス感染が原因ではないかと考えられている甲状腺の炎症性の病気です。数ヶ月で治ってしまうので亜急性(急性と慢性の中間)と呼ばれています。甲状腺は硬く腫れ、強い痛みを伴います。また、全身性に発熱をきたします。そして甲状腺に強い炎症を起こすために甲状腺が破壊され、甲状腺ホルモンが漏れ出します。その結果、血液中の甲状腺ホルモンが上昇し、甲状腺機能亢進症が起こります。初期にはその症状が似ているために、風邪やがんと間違われたり、バセドウ病と間違われたりすることがあります。副腎皮質ステロイドによる治療で完全に治る病気です。

 

 

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